
足の痛み
足は26個の骨からなり、それぞれの骨は靱帯や関節包によって固定され、足の甲と足底面には計10以上の筋肉が付着して指を動かしたり、地面からの衝撃吸収などの役割を担っています。
足に痛みを生じる病気について簡単に説明します。
偏平足
加齢や肥満、運動不足などによって足底部のアーチ(土踏まず)を支える靱帯や筋肉が緩んで(若しくは切れて)アーチが潰れてしまう病気です。内側の足首の下に痛みや腫れを生じたり、外反母趾が起きるリスクも高まります。
足底腱膜炎
スポーツで跳んだり・走ったりを繰り返したり、仕事で長時間立つ等で足底部の腱膜に損傷が起こる外傷です。立ったり、歩いたり、負荷が掛かると踵から足底部に痛みが走ります。
外反母趾
遺伝的に母指が第二指より長かったり、偏平足、ハイヒールなど先の細い靴を履く習慣、肥満や運動不足などが原因で母指の付け根の関節に負担が掛かり、母指が外側へ曲がる(20度以上)病気です。母指の内側に炎症や腫れが起きて歩行時に痛みを生じたり、酷くなると関節が亜脱臼を起こしたり、第二指や第三指も外側へ曲ってきます。
シーバー病(症骨骨端症)
発育期の児童(10歳前後)が跳んだり、走ったりなどの激しい運動で着地の際の負担が原因で踵(骨端の軟骨)に炎症が起きる病気です。踵に痛みや腫れを生じます。
種子骨炎
足の親指の付け根下部には種子骨と呼ばれる米粒上の骨があり、筋肉が骨に付着する腱の滑車の役割を担っています(膝のお皿の骨である膝蓋骨も種子骨の一つ)。スポーツ(バスケットやバレーボール、ジョギングやダンス等)や踵の高いハイヒールを頻繁に履く、生まれつき足底アーチが高い等が原因で足底部に負担が掛かって親指の種子骨に炎症が起き、歩行時の痛みを生じます。
捻挫・骨折
捻挫は外傷(転倒・事故・打撲)や疲労(スポーツや重労働による負担の蓄積)、病気(骨粗しょう症や癌、癌の転移など)で関節に負担が掛かる事で靱帯が損傷・断裂する状態で、衝撃が大きいと骨折する場合もあります。患部に痛みと腫れを発症し、骨折で骨が皮膚を貫通すれば出血を伴います。
蜂窩織炎
ひっかき傷や虫刺され、やけどや水虫、乾燥肌などのくず口から細菌(ブドウ球菌)が皮下に侵入して炎症を引き起こして拡大する感染病です。始めは足の痛みや腫れ、発赤などを生じますが、酷くなると発熱や悪寒、倦怠感や頭痛など全身に症状が現れ、敗血症に至るケースもあります。免疫機能が低下した糖尿病の方は発症のリスクが高くなります。
痛風
プリン体を多く含んだ食品(レバー、白子、魚介類、かつお、イワシ、アジ、エビ)や飲み物(ビールや紹興酒)を過剰摂取すると、代謝された尿酸が血液中に溜まって溶けきれなくなります(高尿酸血症)。血中に溶けきれなくなった尿酸が関節に蓄積すると関節に激しい痛みや腫れ、発赤を生じます。症状が最も現れやすいのが足の親指の付け根の関節ですが、膝や足首、手の関節でも起こります。
成長痛
幼児から思春期(3~12歳)の成長期の子供が不定期に(月に3~4回)、下肢(膝、足の甲やかかと、足の付け根など)に痛みを訴える事があります。痛みは一過性で(8時間以内に消失する事が多い)、抑えても痛みが無かったり、レントゲン検査でも異状が見つからないなど治療が必要な病気にあてはまらない場合に成長痛と診断されます。原因ははっきり分かっていませんが、遊びやスポーツなど日中の活発な活動による筋肉疲労や環境の変化による精神的なストレスが要因の一つと考えられています。
足の痛みの一般的な治療は・・・
偏平足では足底板の使用や体重管理、ストレッチや筋トレ等が行われます。
足底腱膜炎では消炎鎮痛剤や衝撃波による治療が行われます。
外反母趾では消炎鎮痛剤や足底版、矯正装具の使用、リハビリ等の保存療法が行われますが、改善が見られない場合は手術が検討されます。
シーバー病では、安静、ストレッチ、インソールの使用等が行われます。
捻挫や骨折では安静、冷却、圧迫、挙上処置を行い、患部を固定し安静のもと回復を図ります。骨折の状態によっては手技による整復や手術が行われる場合もあります。
蜂窩織炎では抗菌薬の投与が行われます。
痛風では消炎鎮痛薬や尿酸降下薬と並行して生活習慣の改善指導が行われます。
成長痛では、特に医学的な治療は不要ですが、患部をさすったり、ストレッチしたり、マッサージしてあげたり、スキンシップをとったり、コミュニケーションをしっかりとることが有効と考えられています。
カイロプラクテックでは
カイロプラクティックでは足の働きに影響を及ぼす背骨と背骨を通る神経に着目します。
足の指を動かしたり、足底アーチを支えているのは足の甲や足底部に付着する10以上の筋肉であり、それら全ての筋肉を支配しているのが背骨から伸びる神経です。
不良姿勢や長時間のパソコン作業、スポーツの練習時における反復動作などで背骨に歪みが生じると、背骨を通る神経にも神経障害が起こります。
その結果、足の動きに障害や痛みを発症します。
カイロプラクティックでは背骨の歪みを整え、神経機能を正常化して症状の根本的な改善を図ります。