月経前症候群 PMS

月経前症候群(PMS)は、月経開始3~10日程前に(黄体期)身体や精神に現れる様々な症状のことで、月経が始まるとそれらの症状は治まります。

月経のある女性の8割の方が経験すると言われていて、身体に現れる症状としては乳房の張り・痛み、腹部膨満感、頭痛、関節痛、体重増加、むくみ等で、精神に現れる症状は気分の落ち込み、怒りっぽい、いらだち、不安、混乱、ひきこもり等です。但し、精神症状が酷く、日常生活に影響が出ている場合は精神疾患(月経前不快気分障害:PMDD)の疑いが有ります。

月経前症候群のはっきりとした原因は分かっていませんが、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の大きな変動(14日目の排卵後に一旦大きく増加し、21日目頃から急激に減少)が関わっていると考えられています。エストロゲンは生殖器の発達、精神安定、基礎代謝の向上、カルシウム吸収やコラーゲン生成の促進等、善玉コレステロールを増やす等の役割があり、プロゲステロンは子宮内膜を厚くしたり、受精卵を保護、基礎体温の上昇、乳腺の発達、子宮の収縮抑制等の役割があります。

女性ホルモン以外に、PMS発症に関わっていると考えられているのが脳内から分泌されるセロトニンです。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれていて、情緒安定、食欲/性欲の抑制、痛みの軽減等の役割がありますが、エストロゲンはこのセロトニンの生成を促進します。黄体期の後半にエストロゲンが減少すると脳内で分泌されるセロトニンも減り、情緒が不安定になってイライラや気分の落ち込みを感じたり、過食等の症状を引き起こすと考えられています。

 

月経前症候群の一般的な治療は・・・

症状が軽度であれば生活習慣の改善(十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理)などが指導されますが、症状が酷い場合は鎮痛薬や利尿薬、抗不安薬、抗うつ薬、エストロゲンとプロゲステロンを含む低用量経口避妊薬などの薬物療法が行われます。

 

カイロプラクティックでは

カイロプラクティックでは、女性ホルモンの分泌に影響を与える神経に着目します。

私たちの脳(視床下部)は卵巣や子宮の状況を24時間絶え間なく監視し、その変化に対応すべくホルモンや自律神経(交感神経と副交感神経)を介してそれらの働きを制御しています。

卵巣や子宮内の情報(機械的な変化、ホルモンや発痛物質の増加など)は神経(骨盤神経:S2~4)を介して脳へ伝わり、脳はその情報を基に下垂体へ向けて性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌したり、自律神経(子宮の交感神経は下腹神経:T11~L2 副交感神経は骨盤神経:S2~4/卵巣の交感神経は内蔵神経:T9~10 副交感神経は迷走神経)を介して卵巣や子宮の働きを制御しています。

脳が卵巣や子宮内の状況を正確に把握出来ていれば、女性ホルモン(エストロゲン&プロゲステロン)は最適なタイミングで最適な量が分泌される様プログラムされています。しかし何らかの原因で脳が卵巣や子宮内の状況を正確に把握出来なくなるとホルモン分泌のタイミングや分泌量に影響が及ぶ可能性があります。その原因が背骨の歪みです。

卵巣や子宮内の情報を脳へ伝える骨盤神経も、脳からの指令を卵巣や子宮へ伝える自律神経もどちらも背骨を通ります。

もし背骨に歪みが生じると、神経に障害が起こって卵巣や子宮の情報が正確に脳へ伝わらなくなったり、脳からの指令が正確に卵巣や子宮へ伝わらなくなってホルモン分泌のタイミングや分泌量に問題が生じる可能性があります。

それが月経前症候群(PMS)を初めとする様々な不調です。

カイロプラクティックでは、背骨の歪みを整える事で神経障害を取り除き、卵巣や子宮の働きの正常化を図ります。