下痢 Diarrhea

暴飲暴食、過度の飲酒、香辛料や刺激物の摂取、過度のストレス、アレルギー反応、ウイルスや細菌の感染、薬の副作用、炎症性の腸の疾患などが原因で、急な腹痛や便意、水様や泥状の便、お腹の不快感、嘔吐や発熱、倦怠感、慢性的な下痢を発症する場合があります。

初めに下痢の原因について簡単に説明します。

 

暴飲暴食

大量の食べ物や飲み物を摂取することで消化器の働きが活発になって腹痛や下痢を起こします。

 

過度の飲酒

アルコールを大量に摂取すると消化器官の水分と電解質の吸収が悪くなって、吸収されなかった水分が排出されて下痢を起こします

 

香辛料や刺激物の摂取

トウガラシやにんにく、マスタードやタバスコなどの香辛料は胃酸の分泌を高めたり、胃の蠕動運動を活発にする為、過剰に摂り過ぎると腹痛や下痢などを引き起こします。

 

ストレス

ストレスや不安、緊張や恐怖、疲労や睡眠不足などが原因で自律神経のバランスが崩れて下痢や便秘のどちらか、若しくはその両方を発症します。

自律神経失調症や過敏性腸症候群がこれに当たります。

 

アレルギー反応

卵や小麦などの摂取が原因でアレルギー反応を起こすと吐き気や嘔吐、下痢を起こす場合があります。

 

細菌/ウイルス感染

ノロウイルスやロタウイルス、サルモネラ菌やO-157などの感染によって激しい下痢、嘔吐、発熱を発症します。

 

薬の副作用

抗菌薬や抗がん薬の服用によって腸の粘膜に炎症が起きたり、腸の動きが活発になって下痢を起こします

 

過敏性腸症候群

自律神経の乱れや腸の蠕動運動機能の低下によって緊張すると胃が痛くなったり、決まった場所(職場や学校など)へ行くと腹痛や下痢を起こしたり、食欲が減退したり、排便してもスッキリしない等の症状を発症します

(腸に医学的な異常は認められません。)

 

潰瘍性大腸炎

はっきりとした原因は不明ですが、免疫機能の過剰反応によって大腸の粘膜に炎症が起こってただれ、びらん、潰瘍ができる難病です。発熱、腹痛、血便、下痢、貧血、体重減少などを発症する時期と治まる時期とを繰り返します。

 

クローン病

はっきりとした原因は不明ですが、免疫機能の過剰反応によって小腸や大腸の消化管全体の粘膜に炎症が起こる難病です。発熱、腹痛、下痢、切れ痔、肛門の潰瘍、体重減少の他、関節や皮膚、眼にも異状が起こる場合があります。

 

大腸がん・ポリープ

運動不足、偏った食生活、肥満、アルコールの多飲、喫煙などの生活習慣の乱れが原因で大腸(特にS状結腸や直腸)にポリープや腫瘍が出来て、始めは無症状ですが、腫瘍が大きくなると血便や腹痛、腹部膨満感や便通異状(下痢や便秘)などを発症します。

 

下痢の一般的な治療は・・・

生活習慣に問題がある場合は、食生活、運動、睡眠の改善が指導されます。

細菌やウイルス感染では整腸剤や経口補水液による治療が行われます。

過敏性腸症候群では症状に応じて薬物療法と生活習慣の改善を行います。

潰瘍性大腸炎では炎症を抑える抗炎症薬や免疫抑制薬などが使用されます。

クローン病では炎症を抑える抗炎症薬や免疫抑制薬に加え、栄養療法も行われます。

大腸がん・ポリープでは内視鏡、開腹、腹腔鏡下での切除手術や化学療法や放射線療法が行われます。

 

カイロプラクテックでは、

下痢の原因は様々ですが、カイロプラクティックでは消化器の働きを制御する自律神経の働きに着目します。

自律神経は私たちの身体の働きを24時間絶え間なく制御してくれている神経で、その中枢は脳(視床下部)にあります。

脳(視床下部)は何らかのストレスを感じたり身体を活発に動かす必要がある時は交感神経を優位に、逆に緊張から解放されたり身体を休める時は副交感神経を優位にします。

消化器(唾液腺、食道、胃、膵臓、肝臓、小腸、大腸など)の働きは交感神経が優位な時は抑制され、副交感神経が優位な時に活発になります。

脳(視床下部)がバランスよく自律神経(交感神経と副交感神経)を制御できていれば各消化器が食べ物を円滑に消化/吸収し、便秘も下痢も起こる事はありません。しかし何らかの原因で交感神経が優位になり過ぎると消化器の働きが過剰に抑制されて便秘に、逆に副交感神経が優位になり過ぎると消化器の働きが過剰に活発になって下痢を起こします。

脳(視床下部)が交感神経と副交感神経のバランスを上手く保つ為には身体の情報が正確に脳(視床下部)へ伝わり、そして脳の指令が正確に各消化器官に伝わる必要があります。

この身体の感覚器からの情報と脳からの指令の伝達は全て背骨を通る神経を介して行われます。

もし背骨に歪みが生じると、背骨を通る神経に障害が起こって感覚器からの情報が正確に脳に伝わらなくなったり、脳からの指令が正確に各消化器官に伝わらなくなって便秘や下痢を発症する可能性があります。

カイロプラクティックではそんな背骨の歪みを整える事で、神経障害を取り除き、あなたの身体の自律神経の働きの正常化を図ります。