頭痛 Headache

 


国民のおよそ三人に一人は頭痛を抱えていると言われており、目眩(めまい)や吐き気を伴って仕事や勉強に集中できなくなったり、痛みが酷くて学校や職場を休んでしまったりなど日常生活に大きな支障をきたす事のある国民病です。

頭痛の原因は様々で、時間の経過と共に治まるものから(一次性頭痛)、命に係わる病気が隠れている場合(二次性頭痛)もあります。

始めに、一般的な頭痛の種類とその原因について簡単に説明します。

 

緊張型頭痛

最も多くみられる頭痛で、パソコン作業やデスクワーク等でうつむき姿勢を長時間続けることで背骨や筋肉(側頭筋・後頚筋・僧帽筋など)に負担が掛かり、血流の低下や神経障害を招いて後頭部を中心に締め付けられるような頭痛を発症します。 午後や夕方の一日の終わりにかけて発症しやすく、重い肩凝りや眼精疲労を伴う場合があります。

 

片頭痛

季節の変わり目や天気の崩れ、緊張から解放された休日など自律神経の乱れや生理前/更年期前後の女性ホルモン(エストロゲン)の変動によって拡張した血管が三叉神経を圧迫することで側頭部(こめかみ)に脈を打つ痛みを発症します。 光や音に敏感になったり、吐き気を伴う場合があります。

 

群発頭痛

20~40代の男性に多い頭痛で、目や頭部に血液を供給する内頚動脈の血管拡張によって目の奥がえぐられるような酷い痛みと目の充血、涙、鼻水を発症します(大抵は夜中)。 アルコール摂取で誘発されたり喫煙者に多く、症状は1~2ヶ月程続きます(群発期)

 

薬物乱用頭痛

緊張型頭痛や片頭痛、月経痛、腰痛の鎮痛薬を月に10日以上、長期間(3か月以上)服用することで脳が痛みに対して過敏になり、頻繁に頭痛を発症する(月に15日以上)場合があります。

 

感染症による頭痛

鼻、副鼻腔、口腔内のウイルスや細菌感染によって鼻づまりや鼻炎、発熱や頭痛を発症します。

 

脳の病気による頭痛

脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など生命に関わる病態が起こると頭が割れるような激しい頭痛と共に目眩や嘔吐、手足のシビレや言葉のもつれ、意識障害等を発症する場合があります。 そんな症状を発症したら直ちに病院で診察を受けてください!

 

頭痛の一般的な治療は・・・

頭痛に対する一般的なアプローチは主に薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ピル、抗不安薬など)で痛みを抑える対症療法です。薬がきれたら再び薬を飲む必要があり、薬が効かない時はより強い薬が処方されます。

一時的に症状を抑制できても、毎回症状が出る毎に薬を飲む必要があり、薬の長期使用で効き目がなくなったり、かえって頭痛が酷くなったり(薬物乱用頭痛)、胃腸障害や腎障害などの副作用を引き起こしてしまう場合もあります。 

薬で症状(頭痛)を抑えるアプローチは本当に問題を解決している事になるのでしょうか?

 

カイロプラクティックでは・・・

カイロプラクティックでは頭を支える背骨と首/肩の筋肉、そして脳内の血流を調整する自律神経に着目します。

私たちの頭の重さは成人で約5㌔程あり、その頭を支えているのが背骨と首/肩の筋肉群です。

その背骨には自律神経が通っていて脳内の血流量を調整しています。

不良姿勢や長時間のパソコン作業などで背骨に歪みが生じると、背骨や首/肩の筋肉群に負担が掛かるだけでなく背骨を通る自律神経にも神経障害が起こります。

自律神経の働きが妨げられると脳内の血流が不安定になります。脳は危機察知能力を高めようと視覚や聴覚、臭覚や嘔吐中枢が鋭敏になります。

これらの結果、頭痛や肩凝り、目眩や耳鳴り、吐き気などの症状を発症します。

カイロプラクティックでは背骨の歪みを整えることで背骨や筋肉の負担を取り除き、自律神経の働きを正常化して症状の根本的な改善を図ります

 

症例1 仕事を休んでしまう程の頭痛が改善!

患者:50代 男性 公務員 H.H.さん

 

主訴:一月程前(コロナウイルスに感染し、症状が落ち着いた後)から左後頭部の強い痛みで夜中に目を覚ますようになって、朝も痛みで起き上がれず職場に遅刻したり、日によっては仕事を休んでしまうようになった。(痛みのスケール=8/10)市立病院を受診し、脳のCT検査、及び脳脊髄液検査を行ったが異常は無かった。頭痛薬を処方されたが効果が無く、親族の勧めで当院を受診。

 

検査:当院では視診で頚椎の頚椎の前方変位(ストレートネック)と胸椎の後方変位(猫背)を確認(写真)。

頸椎可動域検査では特に左側屈と伸展方向で主訴である左後頭部に強い痛みを再現。

 

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ反応を確認しながら施術(モビリゼーション)を行った。

施術開始直後は左後頭部に響いていたが徐々に慣れていく様子だった。途中、痛みが悪化したり気分が悪くなる様子は無かった。

 

施術後:頚椎の可動域は左側屈、伸展方向への改善が見られた。痛みも半分程度(痛みのスケール=4~5/10)に減少し、首の動きが良くなったと喜ばれた。正しい座位姿勢、パソコンやスマホ操作時の下向き姿勢の回避などのアドバイスを行い、数日後に再検査を行う事をお伝えして終了した。

その後は週1~2回程度で治療を継続し、来院から一か月後(来院6回目)には就寝中の頭痛は消失し、職場にも休んだり遅刻せず出勤できるまで改善した。処方薬も飲んでいないとの事。症状消失後は月に一回程度メンテナンスケアを継続し頭痛を再発する事無く過ごせている。

 

考察:職場での長時間のパソコン業務が続いた事によって姿勢が崩れ、背骨や首/肩の筋肉に負担が掛かって緊張性頭痛を発症していたと推測される。

施術によって背骨の歪みが整った事で背骨や首/肩の筋肉への負担が軽減し、症状が改善したと考えられる。

 

症例2 家事が出来ない程の頭痛が改善!

 

患者: 30代 女性 専業主婦 W.A.さん

主訴:2年前に出産して以来、左側の首から肩に掛けて慢性的な肩凝りに悩むようになった。時々寝起きから左側のこめかみに片頭痛(痛みのスケール=7/10)を発症し、光が眩しく、吐き気も伴う様になった。痛みが治まるまで部屋を暗くしてベッドに横になるため午前中の家事が一切出来なくなる。

近くの内科を受診し、片頭痛の診断を受け頭痛薬を処方された。頭痛薬はその時は効き目はあるが、症状が出るたびに飲む事や今後もずっと飲み続ける事に抵抗があって当院へ来院された。

 

検査結果:視診で頚椎の頚椎の前方変位(ストレートネック)と胸椎の後方変位(猫背)を確認。

頸椎可動域検査では伸展方向に制限が認められた(写真ビフォー)。上肢にシビレやだるさ等の神経症状は無し。

 

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ、上部胸椎(T1~4)の後方変位を改善すべく後方から前方(P⇒A)へ施術(モビリゼーション)を行った。

 

施術後:頚椎の伸展方向の可動域が改善した(写真アフター)。三日後に再検査を行ったが、左側の首から肩にかけての肩凝りは半分以下に軽減し、片頭痛も起きていないとの事だった。その後週に一回程度施術を継続し、来院から約一か月後(来院5回目)には肩凝りや片頭痛、光が眩しく感じたり、吐き気もなく生活出来るようになって大変喜ばれた。

症状改善後は月に一回程度メンテナンスケアを継続し、軽い肩凝りはあっても日常生活に支障が出るほ程の片頭痛を再発する事無く過ごせている。

 

考察:出産後の子育て時の抱っこや授乳時の下向き姿勢を繰り返したことで背骨や筋肉に負担が掛かかって肩凝り、そして背骨を通る自律神経にも障害が起きて片頭痛やそれに伴う光過敏や吐き気を発症していたと推測される。

施術によって背骨の歪みが整った事で背骨、首/肩の筋肉、神経の負担が軽減し、症状が改善したと考えられる。