
むくみ
むくみとは皮膚の下の皮下組織に余分な水分がたまった状態のことで、体の何処でも起きますが、特に心臓から遠く、重力の影響を受け易い足でよくみられます。むくみの原因は生活習慣(長時間の同じ姿勢、運動不足、過剰な水分/塩分摂取、アルコールの多飲など)によるものが多いですが、妊娠や女性ホルモンの変動、薬の副作用や病気(心不全、腎不全、肝硬変、甲状腺機能低下症、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、リンパ浮腫)が潜んでいる場合があります。
始めにむくみの現認について簡単に説明します。
長時間の同じ姿勢
デスクワークで座りっぱなしや長時間の立ち仕事で血液循環が悪くなる為、水分が重力の影響で下肢にたまって足がむくみます。
運動不足
血液を心臓へ戻す筋肉の活動量が減るため血液循環が悪化し、水分が下肢にたまって足がむくみます。
過剰な水分/塩分摂取
水分の過剰摂取によって体内の水分量が増加し、血管外にしみ出してむくみが起こります。又、塩分を過剰に摂取するとそれを薄めようと水分を貯め込む為、体内の水分量が増加してむくみが起こります。
アルコールの多飲
アルコール摂取によって血管が拡張し、血管から水分が多くしみ出してむくみにつながります。
妊娠
妊娠でお腹が大きくなると下半身の血液を心臓へ戻す下大静脈が圧迫されて、血行が悪くなって足がむくみやすくなります。
女性ホルモンの変動
排卵後(月経から14日目以降)、プロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が増加します。プロゲステロンは子宮内膜の安定や乳腺の発達、体温上昇や体内の水分保持等の作用がある為、むくみやすくなります。
薬の副作用
ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬、血管を広げ血圧を下げるカルシウム拮抗薬、血圧上昇ホルモンを阻害して血圧を下げるACE阻害薬、細菌を抑制する抗生剤、抗がん剤などの薬の副作用でむくみがおこりやすくなります。
心不全
心臓は体内に血液を循環させるポンプの役割があります。何らかの原因で心不全に陥ると血液を循環させる力が弱くなって全身の血液循環が悪化し、むくみがおこります。
腎不全
腎臓は血液をろ過して老廃物を体外に尿として排出する臓器です。何らかの原因で腎不全に陥ると、腎臓のろ過する機能が低下して血液量が増え、むくみが起こります。
肝硬変
B/C型肝炎、脂肪肝、アルコールの多飲による肝臓組織の炎症等が原因で肝硬変になるとアルブミンと呼ばれるタンパク質の産生が少なくなります。アルブミンは血中の水分を維持する役割がある為、アルブミンが少なくなると水分が血管からしみ出してむくみが起こりやすくなります。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは体の代謝を活発にする働きがありますが、甲状腺機能低下症(例:橋本病)では甲状腺ホルモンの量が減少して代謝が悪くなるため、むくみが起こりやすくなります。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は下半身の血液を上半身へ戻す静脈の弁が壊れて血液の逆流がおこることで下肢にむくみがおこります。
深部静脈血栓症
足の骨や筋肉など深い部分の静脈に血の塊(血栓)が詰まってむくみを生じたり、場合によって肺の血管が詰まれば命の危険があります(肺塞栓症)。
リンパ浮腫
癌の手術でリンパ節やリンパ管を切除した後にリンパ液が滞ってむくみを生じる場合があります。
むくみの一般的な治療は
生活習慣が原因の場合は、適度な運動や食生活の改善、禁酒などが指導されます。むくみの原因が病気の場合は、それぞれの病気に対する治療が行われます。
カイロプラクティックでは
カイロプラクティックでは、体内の水分調整を担うホルモン分泌に着目します。
私たちの体内の水分調節は主に腎臓が調節しています。
例えば私たちが沢山汗をかいて体内の水分が減り、電解質濃度や浸透圧が上昇するとその情報は脳の視床下部へ伝わります。視床下部は下垂体(後葉)に抗利尿ホルモン(ADH=バソプレシン)の分泌を指示します。
抗利尿ホルモン(ADH)によって尿細管から水分の再吸収が促進し、水分を溜め、尿量を減らします。そして水分が一定の基準まで上昇し、電解質濃度や浸透圧が下降すると、抗利尿ホルモンの分泌が抑制されます。
抗利尿ホルモン分泌に於いて重要なのが、脳が体内の状況を正確に把握することです。体内の水分量や電解質濃度、浸透圧は体中に張り巡らされたセンサー(受容器)によって監視され、その情報は神経を介して常に脳へ送られています。
脳が体内の状況を正確に把握できれば、適切なホルモンが、適切なタイミングで、適切な量だけ分泌されるようプログラムされています。
もし背骨に歪みが生じると、背骨を通る神経に神経障害が起きて体内の情報が脳へ正確に伝わらなくなる可能性があります。
その結果、体内の水分調整を行うホルモンが適切に分泌されず、むくみを初めとする様々な不調を招く恐れがあります。
カイロプラクティックでは、背骨の歪みを整える事で水分調節に重要なホルモン分泌の正常化を図ります。
てそしてその情報は神経を介しっています。制御する自律神経に着目します。体内の水分の代謝や血流を制御する自律神経に着目します。
私たちの体には環境の変化や体内の状況に応じて体の働き(体温・血圧・心拍・呼吸・消化・排泄・免疫機能・血流・ホルモン分泌など)を自動制御する自律神経という仕組みが備わっています。
自律神経の中枢は脳の視床下部という部位にあり、周りや体内の状況に関する情報を体の感覚器(視覚・聴覚・臭覚・触覚・血管など)から情報収集し、その情報を基に適切な指令をホルモンや自律神経を介して体の各臓器や器官へ伝えて水分の代謝や血流を含む様々な働きを調整しています。
体内の各感覚器の情報を脳へ伝えるのも、脳の指令を各臓器や器官へ伝えるのも神経を介して行われ、その神経は背骨を通ります。
もし背骨に歪みが生じると神経障害が起きて、感覚器からの情報が脳へ正確に伝わらなくなったり、脳の指令が各器官へ正確に伝わらなくなります。
その結果、脳が判断を誤って水分の代謝や血流調整が適切に行われず、むくみを発症してしまう可能性があります。
カイロプラクティックでは、背骨の歪みを整える事で神経障害を取り除き、体内の水分調節の改善を図ります。