
首/肩のコリ Neck &Shoulder Stiffness
肩凝りは首から肩にかけての筋肉群のこり、はり、こわばり、重圧感、痛みの総称のことで、国民のおよそ三人に一人が肩凝りを訴えているといわれています。 私たちの頭の重さは成人で約5㌔程あり、それを支えているのが背骨と首/肩の筋肉群(僧帽筋、頭半棘筋、頭・頚板状筋、肩甲挙筋、棘上筋、小菱形筋、大菱形筋など)です。不良姿勢、長時間のパソコン作業やスマホ操作、なで肩、肩掛けカバン等によるこれらの筋肉軍への負担や運動不足、精神的なストレス、冷房や冬場の冷え等による血行悪化が肩凝りの原因と考えられています。
ただそれ以外に病気によって肩凝りを発症している場合もあります。
病気が原因による肩凝りを簡単に説明します。
緊張性頭痛
頭痛の中で最も多くみられるのが緊張性頭痛で、パソコン作業やデスクワーク等でうつむき姿勢を長時間続けることで背骨や筋肉(側頭筋・後頚筋・僧帽筋など)に負担が掛かり、血流の低下や神経障害を招いて後頭部を中心に締め付けられるような頭痛を発症します。 午後や夕方の一日の終わりにかけて発症しやすく、重い肩凝りや眼精疲労を伴う場合があります。
眼精疲労
パソコンやスマートフォン等の液晶画面に集中する作業を長時間続けた後に現れる目の疲れ、痛み、かすみ、充血などの症状のことを眼疲労と呼びますが、通常は休息をとれば回復します。
しかし休息をとっても症状が改善しなかったり、目の症状以外に頭痛や肩凝り、吐き気を伴う場合、眼精疲労と呼ばれます。
眼精疲労の原因はさまざまで、遠視、近視、乱視などの屈折異常や老眼、白内障、緑内障、高血圧、貧血、自律神経失調症でも発症する事があります。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
肩関節の強い痛みと運動障害を生じ、日常生活に大きな支障が出る疾患です。40~60代に多く診られ、はっきりとした原因は不明です。 安静時や夜間に肩に痛みを生じる時期(急性期)から痛みが和らいだ後に関節が硬直する時期(慢性期)、そして痛みやこわばりが徐々に回復する時期(回復期)を経て徐々に回復していきます。治療期間が一年以上に及ぶ場合もあります。
線維筋痛症
原因が不明の慢性疾患で、全身の関節や筋肉の疼痛に加え、倦怠感や疲労感、頭痛や抑うつ、動悸や目眩、ドライアイやドライマウス、便通異常等の症状も発症する事もあり、気候の変化や睡眠不足、激しい運動、精神的なストレス等で症状が悪化します。国内に200万人以上の患者がいるとされ、女性に多く(男女比=1:5)、平均の発症年齢は50歳前後とされています。線維筋痛症分類基準を用いて診断が下されます。
高血圧
高血圧は生活習慣(塩分摂取過多、肥満、運動不足、ストレス)や加齢、遺伝的な要因で血管が収縮し血圧が135/85mmHg以上になった状態のこと。血流が悪くなることで冷えや肩凝り、頭痛を発症したり、それを放置すると動脈硬化や脳梗塞/脳出血、心筋梗塞等の重篤な疾患のリスクが高まります。
虚血性心疾患(狭心症/心筋梗塞)
虚血性心疾患とは心臓に必要な酸素や栄養を運ぶ血管が狭くなったり詰まることで心臓に障害が起こる病気の総称で狭心症と心筋梗塞を指します。 狭心症は心臓の表面の冠動脈(心臓自体に血液を供給する血管)が狭くなることで階段を上がったり、重い物を持ったり、少し速足で歩いたりした際に胸やみぞおち、背中の痛みや圧迫感、胸やけ等を発症します。心臓の感覚を伝える神経は腕や肩の感覚を伝える神経と同じ経路で走行している為、上半身(特に左側)の肩こりや腕、顎や歯の痛みを発症する場合もあります(関連痛)。症状は大抵15分以内には解消しますが20分以上続く場合は心筋梗塞の疑いが強くなります。心筋梗塞は狭心症が悪化し、細くなった血管に血栓が詰まって心臓の細胞が壊死してしまう病気で、心不全や不整脈、突然死を引き起こす恐れがあります。虚血性心疾患は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの持病や睡眠不足や運動不足、喫煙歴のある方のリスクが高い疾患です。
更年期障害
40歳後半から50歳前半の女性が閉経によって卵巣の働きが低下して卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌が少なくなることで、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、肩凝り、不安感などの症状を発症し、骨粗しょう症が進行したり、血中コレステロールも上昇します。エストロゲンの分泌が低下すると、その分泌を促す卵胞刺激ホルモンが脳(下垂体)から過剰に分泌され、それによって自律神経が乱れやすくなります。その結果、交感神経が優位になり、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、肩凝り、高血圧や精神不安定などの更年期症状を発症します。
うつ病
近年増加傾向にある「うつ病」は日本人の100人に6~7人は一生のうちに一度は経験すると言われています。多くは何らかのストレス(離婚、解雇、倒産など)が引き金になって気分の憂鬱、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安、イライラする、集中力がない、好きな事もやる気がしない、自信がない、死にたい等の精神的な症状に加え、体がだるい、疲れやすい、食欲や性欲がない、頭痛、肩凝り、動悸、便秘、目眩、口が渇くなどの身体的な症状を発症します。
肩凝りの一般的な治療は・・・
原因によって異なりますが、頚椎や筋肉の炎症には消炎鎮痛剤の入った湿布や鎮痛薬、筋弛緩剤やステロイド等の飲み薬、マッサージや温熱療法、痛み止め注射、ブロック注射、血圧のコントロールには生活習慣の改善(禁煙、運動、睡眠、食事)や降圧剤、血流障害には抗血小板薬や抗凝固薬、更年期の女性にはホルモン補充療法や漢方薬、うつ病には抗うつ剤や認知行動療法などその多くが薬物療法です。
カイロプラクティックでは・・・
カイロプラクティックでは頭を支える背骨と首/肩の筋肉に着目します。
私たちの頭の重さは成人で約5㌔程あり、その頭を支えているのが背骨と首/肩の筋肉群です。
不良姿勢や長時間のパソコン作業などで背骨に歪みが生じると、背骨の配列が崩れ、背骨や首/肩の筋肉群に負担が掛かります。
カイロプラクティックでは背骨の歪みを整えることで背骨や筋肉の負担を取り除き症状の根本的な改善を図ります。