ストレートネック Hypolordosis


長時間パソコン作業をしたり、スマホを操作などうつむき姿勢が習慣化すると頚椎の生理弯曲である前弯が消失して真っ直ぐになったり(ストレートネック)、更に悪化すると逆向きの後弯(リバースネック)になります。

背骨の弯曲が消失すると背骨の関節や首/肩の筋肉群に負担が掛かって骨の変形や軟骨の変性が進み、首の痛み、首や肩の凝りや頭痛、手のシビレ等を発症しやすくなります

 

ストレートネックの一般的な治療は・・・

症状が無ければ特に治療は施される事はありません。ただ首の痛みや肩凝り、頭痛などの症状があれば、その症状に応じて消炎鎮痛剤の入った湿布や鎮痛薬、筋弛緩剤、マッサージや温熱療法、痛み止め注射、ブロック注射等の治療が選択肢になります。

 

カイロプラクティックでは・・・

カイロプラクティックでは頭を支える背骨と首/肩の筋肉、そして背骨を通る神経に着目します。

私たちの頭の重さは成人で約5㌔程あり、その頭を支えているのが背骨と首/肩の筋肉群です。

その背骨には脊髄(せきずい)と呼ばれる神経が通っていて手/腕の感覚や筋肉を支配しています。

不良姿勢や長時間のパソコン作業などで背骨に歪みが生じると、頚椎の正常な前弯が消失し(=ストレートネック)、背骨の関節や首/肩の筋肉群に負担が掛かるだけでなく背骨を通る神経にも神経障害が起こりやすくなります。

その結果、首の痛みや頭痛、肩凝り、手や腕のシビレ、痛み、力が入れずらい(筋力低下)等の症状を発症しやすくなります。

カイロプラクティックでは背骨の歪みを整えることで背骨や筋肉の負担を取り除き、神経機能を正常化して症状の根本的な改善を図ります

 

症例 1)首の痛みが改善!

患者:10代 女子 学生 M.Kさん (呉本まゆう10/8)

主訴:一ヶ月ほど前から首が痛くて上を向けなくなった。

検査結果:視診にて頚椎の頚椎の前方変位(ストレートネック)を確認。

頸椎可動域検査では右回旋、右側屈、伸展方向に制限があり、特に伸展方向では痛みが強い。上肢にシビレやだるさ等の神経症状は無し。

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ数回に分けて施術を行った。

施術後:頚椎の可動域に於いて、右回旋、右側屈の可動域に改善が認められ、伸展方向も痛みは若干残るが可動域が改善した(写真)。

勉強以外での下向き姿勢を極力回避するようアドバイスし、念の為一週間後に再検査する事をお伝えして終了した。

一週間後の再診時では首の痛みは8割以上減少したとの事。

前回同様、頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ数回に分けて施術を行って伸展方向の可動域が更に改善し、大変喜ばれた。

その後は、月に一回程度のメンテナンスケアを継続し現状を維持。

考察:患者さんは受験生であり、一日の大半を座位姿勢で過ごしている。勉強中の下向き姿勢を長時間とる事で、頚椎の正常な配列(前弯)が崩れ、首や肩の筋肉にも負担が掛かっていた事で伸展方向(上向き)の可動域制限を発症したと推測される。

施術によって背骨の歪みが整い、首や肩の負担が減ったことで症状が改善したと考えられる。

 

症例2)首の痛みと頭痛(右側頭部)、右腕の症状(だるい)が改善!

患者:30代 男性 溶接作業員

主訴:首から右肩の痛み、右側頭部の頭痛、運転中の右上肢の重だるさ。特に長時間の座位姿勢(特に運転時)で症状が悪化し、頭痛薬はほぼ毎日飲んでいる。

検査結果:姿勢分析にて頚椎のストレートネック(前弯消失)、及び上部胸椎の過後弯を確認。

頸椎可動域検査では右回旋、及び伸展方向への制限があり、上肢神経学的検査では右上肢で感覚低下(C5~T1)、及び筋力低下(C7)が認められた。

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ、上部胸椎の後方変位を改善すべく後方から前方へ(P⇒A)数回に分けて施術を行った。

施術後:頚椎の可動域は右回旋、及び伸展方向の可動域に改善が認められ、右上肢の感覚(C5~T1)は施術前に比べて左側に近くなり、筋力(C7)も施術前より力が入れやすくなって、大変驚かれた。

仕事以外での下向き姿勢(例:スマホ操作など)を極力回避するようアドバイスし、念の為一週間後に再検査する事をお伝えして終了した。一週間後の診察時では右回旋と伸展方向に若干の可動域制限、上肢の感覚(C5~T1)は左側と比べて若干の感覚低下、筋力(C7)も左側と比べて若干の筋力低下を確認した。初回と同様、頚椎(C1~7)の前方変位を改善すべく前方から後方(A⇒P)へ、上部胸椎の後方変位を改善すべく後方から前方へ(P⇒A)数回に分けて施術を行った。施術後は頚椎の可動域、右上肢の感覚、筋力も更に改善した。その後、一週間に一回程度の治療を継続し、初診から一か月後(5回目)の診察時には頚椎の可動域も全方向で可動域制限はなく、右上肢の感覚、及び筋力も左手と差異無し、右側頭部の頭痛も消失して頭痛薬も飲んでいないとの事。その後は3~4週間に一回程度のメンテナンスケアを継続し、現状維持。

考察職場で長時間下向き姿勢をとる事で、頚椎に歪みが生じて配列(前弯)が崩れ(ストレートネック)、頚椎や首/肩の筋肉群に負担が掛かり、更に頚椎から上肢へ伸びる神経にも神経障害を引き起こして首の痛みやコリ、頭痛や右上肢のだるさを発症していたと推測される。

施術によって頚椎の歪みが改善したことで頚椎や首/肩の筋肉への負担が軽減し、神経障害が取り除かれた事で症状の改善に繋がったと考えられる。

 

症例3)上を向く際の首の痛みが改善!(Y.I.さん)

患者:30代 女性 医療機関勤務

主訴:上を向くと首が痛い

検査結果:視診にて頚椎のストレートネック(頚椎の前方変位)、及び胸椎の過後弯(猫背)を確認。上肢にシビレや痛みは無し。

頸椎可動域検査では右回旋、右側屈、伸展方向に制限があり、特に伸展方向では痛みが強い。

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位、及び上部胸椎(T1~4)の後方変位を改善すべく頚椎は前方から後方(A⇒P)へ、胸椎は後方から前方(P⇒A)へ数回に分けて施術を行った。

施術後:頚椎の可動域に於いて、右回旋、右側屈の可動域に改善が認められ、伸展方向も痛みの消失と共に可動域が改善した。伸展方向に若干の可動域制限が残るものの治療前より首の可動域が改善し大変喜ばれた。

考察:日常生活に於いて、職場や家事以外での下向き姿勢を極力回避するようアドバイスし、一週間後に再検査する事をお伝えして終了した。

一週間後にはほぼ痛み無く上を向けるようになったとの事。若干の伸展制限の可動域と背骨の配列の崩れを確認。初回と同様、頚椎(C1~7)の前方変位、及び上部胸椎(T1~4)の後方変位を改善すべく頚椎は前方から後方(A⇒P)へ、胸椎は後方から前方(P⇒A)へ数回に分けて施術を行った。施術後は可動域が更に改善し、大変喜ばれた。その後は一月に一回程度のメンテナンスケアを継続し、現状を維持。

考察:普段から職場で下を向く作業が多い事や、過去数年間小さなお子さんの子育てをされていた事で慢性的に頚椎や首/肩の筋肉に負担が掛かった事で首の痛みを発症していたと推測される。施術によって頚椎の歪みが改善し、頚椎や首/肩の筋肉への負担が軽減したことで可動域が改善し、首の痛みが消失したと考えられる。

 

症例4:首の痛みと肩凝りが改善!

患者:30代 男性 自営(パソコン業務)

主訴:右側の首の痛みと酷い肩凝りで仕事に集中できない。右手首にも痛みがある。

検査結果:視診にて頚椎の頚椎の前方変位(ストレートネック)、及び胸椎の過後弯(猫背)を確認。頚椎可動域は右回旋に制限有り(写真)。右手首の可動域は屈曲、伸展で動きが硬く、痛み。右上肢の感覚は問題無かったが、筋力低下(C6&7)が認められた。

施術内容:頚椎(C1~7)の前方変位、及び上部胸椎(T1~4)の後方変位を改善すべく頚椎は前方から後方(A⇒P)へ、胸椎は後方から前方(P⇒A)へ数回に分けて施術を行った。

施術後:頚椎の右回旋の可動域に改善が認められ、手首の硬さ、及び痛みが軽減した。右上肢の筋力も左上肢に比べれば未だ弱いが力が入りやすくなった。主訴である右側の首から肩に掛けての重だるさも半分以下にまで軽減し、喜ばれた。仕事中の正しい座位姿勢を意識し、スマホ操作等の下向き姿勢を回避するようアドバイスし、一週間後に再検査する事をお伝えして終了した。

一週間後の診察時では初回同様、頚椎の右回旋への可動域制限、右手首の屈曲・伸展時の可動域制限、及び右下肢の筋力低下(C6&7)が認められた。初回と同様、頚椎(C1~7)の前方変位、及び上部胸椎(T1~4)の後方変位を改善すべく頚椎は前方から後方(A⇒P)へ、胸椎は後方から前方(P⇒A)へ数回に分けて施術を行った。

頚椎、及び右手首の可動域制限は改善が認められたが、右手首の筋力低下は大きな変化はみられなかった。頚椎の可動域制限を更に改善すべく頚椎の右回旋方向の施術を数回に分けて行った。頚椎、及び右手首の可動域が更に改善し、右手首の筋力でも僅かに改善が診られ、力が入りやすくなった。その後、一回/週の施術を継続し、初回から約二か月後(8回目)には首の痛みや肩凝り、右手首の痛みは消失し、大変喜ばれた。その後は3~4週毎のメンテナンスケアで現状維持。

考察:仕事中、ほぼ一日中パソコン作業をしている為、姿勢が崩れ慢性的な背骨の歪みを生じて頚椎や首・肩の筋肉に負担が掛かり、更に神経障害を起こした事で手首の痛みを発症したと推測される。

施術によって頚椎の歪みが改善し、首や肩の筋肉への負担が軽減し、神経障害が取り除かれたことで手首の痛みが消失したと考えられる。