背中/肩甲骨の痛み Back & Scapular Pain

背中や肩甲骨の痛みの原因は背中の筋肉や関節に関係するもの、内蔵の病気と関係するもの、それ以外のものがあります。

中には命に関わる原因が潜んでいる場合もあるので注意が必要です。

それらの原因と特徴を簡単に説明します。

 

椎間板ヘルニア

30~50代に多く、背骨に慢性的な負荷(不良姿勢やスポーツ、重労働など)が掛かる事で背骨の間の軟骨(椎間板)が変形、突出して脊髄や神経を圧迫して首の痛み、肩コリ、背中や肩甲骨、腕の痛みやシビレ、力が入れずらい(筋力低下)等の症状を発症します。

 

圧迫骨折

骨密度が低下した高齢者に多く、軽く尻もちをついたり、背中をぶつけた時の負荷によって背骨がつぶれてしまい、姿勢を変えたり、身体を動かしたり、咳やくしゃみをしただけでも背中や腰に痛みを発症します。

 

急性腰痛症(ギックリ腰)

長時間悪い姿勢で座ったり、草むしりしたり、前かがみ姿勢で重い荷物を持ち上げたり、スポーツで反復練習を繰り返した際に背骨や関節、筋肉や靱帯に過度な負荷が掛かって組織が損傷を受けて背中や腰に強い痛みを発症します。

 

心臓や血管の病気

心臓の血管が狭くなる狭心症や血管が詰まる心筋梗塞、心臓から腹部を通る大動脈が裂ける大動脈解離、肺の動脈に血液の塊(血栓)が詰まる肺塞栓症(通称:エコノミークラス症候群)等でも胸の痛みや息苦しさ、肩や背中の痛みを発症します。心疾患や血管疾患は高血圧の持病のある方が発症しやすく、肺塞栓症は飛行機やバス、車での長距離移動や入院中の安静、ギプス固定などで血流が滞ると発症しやすい疾患で、救急で治療を受ける必要があります。

 

膵炎

アルコールの多飲や脂肪分の摂取過多によって膵臓に炎症が起こることでみぞおちから背中に継続的な強い痛みを発症し、吐き気や嘔吐、発熱を発症します。

 

尿路結石

腎臓で作られた尿は尿管、膀胱、そして尿道の順で外へ排泄されます。この尿の通り道を尿路といい、尿の流れの停滞や尿路の感染、内分泌系疾患(甲状腺や副甲状腺の疾患)などが原因でカルシウムやシュウ酸の排泄量が多くなることで尿路に結石ができ、尿路が閉塞してしまうと背中や脇腹、下腹部に痛みを発症します。痛みは2~3時間程続き、痛みの強さに波があります。血尿を伴う場合もあります。

 

腎盂腎炎

尿路結石や膀胱炎が原因で腎臓が細菌に感染し、寒気や発熱、嘔吐に加え、背中や腰の痛みを発症します。

 

帯状疱疹

過去に水ぼうそう(水痘ウイルス)に感染した後、体内(神経節)に潜んでいたウイルスが加齢(50歳以上)や病気、疲れなどをきっかけに再び活性化して、片側の胸や背中に紅斑が帯状に広がり、水ぶくれを生じます又、発疹が治った後に焼けつくような痛みや、ピリピリ電気が走るような痛みが数ヶ月~数年続いたり(帯状疱疹後神経痛)、耳周辺の帯状疱疹では口が閉じがられず食べ物や飲み物が口からこぼれる顔面神経麻痺や難聴、目眩、味覚障害を引き起こす(ハント症候群)こともあります

 

背中の痛みの一般的な治療は・・・

原因によって治療は異なります。

椎間板ヘルニアによるものであれば消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、ブロック注射、牽引、手術。圧迫骨折によるものであれば安静、固定、リハビリ。急性腰痛症によるものであれば非ステロイド系抗炎症薬、筋弛緩薬、抗不安薬、コルセット。心臓疾患や血管疾患によるものであれば冠動脈を広げる硝酸剤、血栓予防の抗血小板薬、カテーテル治療、血栓を溶かす抗凝固療法、血栓溶解療法。膵炎によるものであれば禁酒、低脂肪食、たんぱく分解酵素阻害薬。尿路結石によるものであれば飲水や食事指導、体外衝撃波。腎盂腎炎によるものであれば抗菌薬。帯状疱疹によるものであれば抗ウイルス薬となります。

 

カイロプラクティックでは・・・

カイロプラクティックでは背骨と首/背中/腰の筋肉、そして背骨を通る神経に着目します。

私たちの姿勢を支えているのが背骨と首/背中/腰の筋肉群です。

その背骨には脊髄(せきずい)と呼ばれる神経が通っていて脊髄から枝分れした神経は上肢や下肢の感覚や筋肉を支配しています。

不良姿勢や長時間のパソコン作業などで背骨に歪みが生じると背骨の関節や首/背中/腰の筋肉群に負担が掛かるだけでなく背骨を通る神経にも障害が起こります。

神経の働きが妨げられると手足のシビレ、痛み、力が入りずらい(筋力低下)等の症状を発症します。

カイロプラクティックでは背骨の歪みを整えることで背骨や筋肉の負担を取り除き、神経機能を正常化して症状の根本的な改善を図ります