
膝の痛み
膝関節は大腿骨と脛骨からなり、関節の表面を覆う軟骨(半月板)は関節の滑らかな可動性と衝撃緩和を、関節をつなぐ靱帯(十字靱帯/側副靱帯)は関節の左右前後の安定性をもたらします。
変形性膝関節症
加齢や肥満、スポーツや膝に負担の掛かる重労働などが原因で膝の関節を覆う軟骨が摩耗・劣化する病気です。大腿骨と脛骨の骨同士がぶつかることで炎症や骨の変形が起き、歩いたり立ち上がる際に痛みや膝に水が溜まる(水腫)等を発症します。
リウマチ関節炎
本来外部から侵入したウイルスや細菌から身を守る免疫機能が誤って自分の体に対して攻撃して(自己免疫疾患疾患)、全身の関節に痛みやこわばり(一時間以上続く)、腫れを生じます。特に手首や手指の関節に左右対称で起こり易く、炎症が続くと関節の破壊が進行して変形や脱臼、硬直や拘縮が起こります。男女比は1:3~4で、30~50台の女性に起こりやすい病気です。
偽痛風
加齢、外傷、代謝性疾患、遺伝性疾患などによってピロリン酸カルシウムが関節の軟骨に沈着して痛み、発熱、腫れを生じます。最も起こり易い部位は膝関節ですが、肩関節や足関節、手の関節でも起こります。
靱帯損傷
サッカーやバスケ、ラグビー等の前後左右の方向転換やコンタクトの多いスポーツや交通事故などで膝の内部や側面に付着する靱帯が損傷を受け、歩行時や運動時の痛みや関節の腫れ、可動制限や不安定感などを生じます。
半月板損傷
スポーツ競技中の転倒や衝突や事故による膝関節の軟骨(半月板)の損傷や、加齢による軟骨(半月板)の劣化が原因で膝を曲げ伸ばしする際に引っ掛かって(ロッキング)痛みを生じたり、水が溜まって腫れる事も有ります。外傷の場合は同時に靱帯損傷も併発する事もあります。
腸脛靭帯炎
大腿部の外側面には骨盤から脛骨に付着する腸脛靭帯と呼ばれる繊維組織があり下半身を安定させる役割があります。腸脛靭帯炎はO脚や過度なランニング/ジャンプ動作が原因で腸脛靭帯と大腿骨の間で摩擦による炎症が起き、膝の外側に痛みを発症する外傷です。
オスグッド病(オスグッド・シュラッダー病)
成長期(10~15歳)の児童の骨は部位によっては成長過程であり、骨になりきっていない軟骨が残っています。オスグッド病とは成長期の児童がスポーツで過度にランニングやジャンプ動作を繰り返す事で、太ももの筋肉がその付着部である膝の下部(脛骨粗面)を引っ張り軟骨が剥離する外傷です。膝の屈伸動作やジャンプ動作などで膝に負荷が掛かると痛みを生じたり、膝下に隆起や腫れがみられます。
成長痛
幼児から思春期(3~12歳)の成長期の子供が不定期に(月に3~4回)、下肢(主に膝、足の甲やかかと、足の付け根など)に痛みを訴える事があります。痛みは一過性で(8時間以内に消失する事が多い)、抑えても痛みが無かったり、レントゲン検査でも異状が見つからないなど医学的に治療が必要な病気でない場合に成長痛と診断されます。原因ははっきり分かっていませんが、遊びやスポーツなど日中の活発な活動による筋肉疲労や環境の変化による精神的なストレスが要因の一つと考えられています。
骨肉腫
骨を作り出す細胞の遺伝子の異常が原因で、膝(大腿骨の遠位部や脛骨の近位部)や肩(腕骨近位部)の近くに発生する悪性腫瘍で、安静時の痛みや関節から離れた部位の腫れ等が現れます。国内では年間に200~300例程の稀な病気で、好発年齢は10代(男児)と言われています。
膝の痛みの一般的な治療は・・・
変形性股関節症の治療は鎮痛薬やヒアルロン酸注射、筋トレなどの保存療法が行われますが、改善が見られない場合は手術が検討されます。
リウマチ関節炎では抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬、リハビリ等の保存療法が行われますが、場合によっては手術も検討されます。
儀痛風では非ステロイド系抗炎症薬やステロイド薬での対症療法が行われます。
靱帯損傷ではギプス固定や抗炎症薬、運動療法などが行われますが、場合によっては手術も検討されます。
半月板損傷では運動療法やヒアルロン酸注射等の保存療法が行われますが、改善が見られない場合は手術が検討されます。
腸脛靭帯炎では休息をとりながら抗炎症薬やストレッチなどが行われます。
オスグッド病では太もも(大腿四頭筋)のストレッチや患部のアイシング、膝下ベルト等が行われます。
成長痛では、特に医学的な治療は不要ですが、患部をさすったり、ストレッチやマッサージ、スキンシップをとったり、コミュニケーションをしっかりとる等が有効と考えられています。
骨肉腫の治療では手術、化学療法、放射線治療などが行われます。
カイロプラクテックでは
カイロプラクティックでは膝関節の働きに影響を及ぼす背骨と背骨を通る神経に着目します。
膝関節を動かしているのは大腿部の前面、及び後面のおよそ10もの筋肉群であり、それら全ての筋肉を支配しているのが背骨から伸びる神経です。
不良姿勢や長時間のパソコン作業、スポーツの練習時における反復動作などで背骨に歪みが生じると、背骨を通る神経にも神経障害が起こります。
その結果、膝関節の動きに障害や痛みを発症します。
カイロプラクティックでは背骨の歪みを整え、神経機能を正常化して症状の根本的な改善を図ります。